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『日本人の底力』を聞いて 客人:ルポライター 鎌田慧さん(1)

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本日の客人は、1975年沖縄海洋博から35年間の沖縄ルポをまとめた「沖縄(ウチナー)―抵抗と希望の島」を書かれたルポライターの鎌田慧(さとし)さんでした。

最初は週刊誌から沖縄海洋博取材の依頼があったことがきっかけであった。日本に復帰する前の沖縄の事はは知らなかった。沖縄に一回行くと好きになる人が多いが、私もそうであった。私は青森出身で、海がエメラルドグリーンで、空は青く、天国みたいに感じて沖縄が好きになった。以前から公害問題に関心を持っていて、海洋博で農民がどのように土地を追い出されて行ったかを取材した。海洋博のときには、農民たちは沖縄戦のときと同じように、ブルドーザで追われるように土地を奪われた。

辺野古への新基地建設は10数年前から決まっていたことである。負担軽減がキーワードであり、普天間基地が住宅の真ん中あることが問題となっているが、実際は新基地の建設が目的である。沖縄の人たちは”銃剣とブルドーザ”で土地を奪われてきた歴史がある。集団自決があり、軍隊により虐殺もあった。そして、これ以上新しい基地はいらないと思っている。住民全てが反対しており、全ての組長の判定している。だからできないはずなのに、政府が作ると言っているので怒っている。”これは差別だ”と組長が言っているが、これはよっぽどのことである。本土の人には沖縄の人の苦しみがわかっていない。日本は本土と沖縄の”分断国家”である。一方は豊かな国、、そしてもう一方は苦みだけを味わっている。そして、その苦しみの声が本土には聞こえてこない。

分断国家の問題は、沖縄の人がかわいそう、ということではなく、日本人がどうするか、という問題である。

沖縄新報では基地問題に関する記事に紙面を何ページも割いているが、本土の記事では一つの地域の話題としてほんの数行しか書かれていない。まず違いがあることを認識して、つぎにどうしてゆくかを考えてゆかねばならない。以前は工事が増えることで賛成していた沖縄の工事関係者も、今では辺野古基地建設に反対している。沖縄の現状について、言うべきことを言う人が少しでも増えることが、沖縄に対する誠意だと思う。

なぜ分断国家となったか、理由は2つある。1つは琉球王国の歴史。もう1つは本土を守るために沖縄で決戦を行い、終戦後は日本独立のために差し出されて米国の領土となったという踏んだり蹴ったりの歴史である。”マグマ”がたまっていると組長レベルで話が出ている。

辺野古基地については、沖縄の人全員が反対しているのに強硬に建設することは民主国家ではできないことである。賛成派の知事を作ってから進めてゆくしかないし、県議員も買収してゆくしかない。県知事と県議会が賛成しなければ推進することはできないのである。米軍がグアム島へ移転する金額の60%は日本が負担することになっている。将来的にはグアム島に米軍基地を全て移転する予定であり、普天間の移転ができなければ負担金額を積み増しすることもありえるかもしれない。







私も北海道出身で北国育ちですので、沖縄に行って天国のような環境に魅せられた一人です。沖縄に行くことは多くはありませんが、大好きです。しかし、沖縄に住んでいる人たちの苦しみについては、なかなか実感することができずにいます。今回の放送で少しわかってきたのは”分断国家”というキーワードでした。同じ日本人なのに差別されているのではないか、そんな気持ちが”マグマ”のようにたまっていると考えると大変なことです。国民の意識として、そして国家の政策として、一枚板の日本となるべく何ができるのか、考えなければいけないのだと思います。










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