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『日本人の底力』を聞いて 客人:日本医師会会長 原中勝征さん

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 今年4月に新しく日本医師会の会長になられた原中勝征さんとのトークでした。

 菅原さんは、小さい頃に宮城県の田舎の方にいたことがあるようですが、親類のおじさんが医師をしていて、夜中でも馬で連絡が来て、馬をひいて遠くまで診察に出かける姿を目にしていたそうです。そのおじさんが若くして亡くなられたという経験から、地方における医者の苦労について心配していました。

 原中さんは、茨城県の田舎の方で地方医療に長年携わってきた経験があるとのことです。
 
 最近の大病院に関する財政問題は、昔自由診療だったものが、国民皆保険となり、医療費を国が管理するようになったことに端を発しています。高齢者の医療費は、高齢者の数が増加するににつれて毎年1兆円ずつ増えると言われています。これはヨーロッパなど先進国ではどこも同じ状況にあります。しかしながら、この医療費増加への対策として、日本では医療費を圧縮するために医者の数の削減といった方向に進んできたことが、現在に医療崩壊の原因なのです。つまり、医療費を削減したことが現在医療に関して起きている問題すべての原因です。

 日本とヨーロッパにおける医療状況の差は、日本では戦後インフラ整備にお金を使わざるを得なかったのに対して、ヨーロッパではインフラは十分に整備されていたために生活を豊かにすることにお金を使うことができた、ということが原因です。そいうった意味では、最近ようやく『コンクリートから人へ』ということで、問題の本質に気が付き始めたということです。

 大病院においては、国や県など官僚が医療機関運営の主体となっている状況にあります。偉く見える医院長先生も、病院運営については雇われ店長の状態なのです。現場においては医師の良心が活かされるべきですが、そうできない状況にあることも事実です。







 私は大病院の立派な設備を見ていると、とても医療費が足りないとは思えず、『もっと建物にかかる設備投資を減らせば!』とつっこみを入れたくなるのですが、医師の立場からすると医者不足などすべての原因は医療費を圧縮しようとした国の責任ということになるようです。また、そういった立派な病院も、医師が望んだのではなく、スタッフとして入っている国や地方の官僚が決めたこと、ということになるようです。

 医療問題も、結局は官僚制度改革、という本丸につながってゆくのかもしれませんね。来週もトークは続くとのこと、楽しみです。









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