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『日本人の底力』を聞いて 客人:リナックスカフェ社長 平川克美さん

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 経済成長に関するトークでした。私自身経済成長が永遠に続くことなどないと思い、最近心配しているところでしたので、興味深い話でした。

 日本の総人口は、これまでずっと増え続けてきました。江戸時代には人口の増えない時代が一時期あったものの、人口が減ったことななかったのです。つまり、これから日本はかつて経験したことのない人口が減少する時代を迎えることになるのです。

多くの人が人口の減少は問題だと言いますが、実は人口の減少は様々な問題の解決につながるのです。環境問題、格差社会など、人口増大が原因となっている問題は数多くあり、人口が減少することによって、これらの問題が解消されます。

 実は人口の増大と減少は、民主主義を深い関わりがあります。民主主義が進み住みやすい社会になれば、子供が多く生まれ、人口が増えることになります。さらに民主主義が進み女性の社会進出が進むと、女性の自己実現に子育ては負担にしかならないので、子育ては敬遠され、人口は減ることになるのです。確かに、女性の社会進出している地域と人口が減少している地域には関連があるようです。

 人口が減少しても経済成長を続けるには効率化しかなく、つまり民営化におり競争の激化しかありません。ビジネスになじまない分野、例えば医療や教育という分野まで民営化の考え方が進むことになります。しかし、医療と教育の分野ではサービスの提供者である医師や教師と、受け手側の患者や生徒は立場が対等ではないため、商業の基本的な要件を満たしておらず、民営化にはなじまないものなのです。サービスの提供は贈与によって行われるべきであり、金銭による等価交換にはなじまないため、いろいろな問題を発生してしまうことになるのです。

 商業になじまない医療や教育という分野では税金による再分配を強化するとともに、歩いて行ける範囲で生活するという”ヒューマンスケールの再考”を進めることが、人口減少による移行期的混乱を回避する方法だと考えられるのです。







 考えさせられるお話でした。確かに人口が多い、というのがさまざまな問題の原点であるという認識は私にもありました。日本でおきている人口減少は必然であり、豊かな生活を取り戻すために必要はものだ、というのは、ある意味前向きな考え方であり、目からうろこが落ちる思いでした。









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