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『日本人の底力』を聞いて 客人:東工大教授 丸山茂徳さん

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 地球温暖化に関するトークでした。

 地球温暖化の原因とされている二酸化炭素ですが、これは動物が生きてゆくのに不可欠な物質です。植物は、太陽光と二酸化炭素から光合成により、動物の食糧となる炭水化物と酸素を生成します。

 地球の表面は約50%が雲で覆われており、雲の量が地球の気温を決めるひとつの要因です。雲が多い時代には地球が寒くなり、雲が少ない時代には地球は暖かくなります。雲1%で地球の平均気温は1度も変わります。つまり、現在問題となっている地球平均気温0.7度の上昇は、雲の量が0.7%減ったということでも説明がつくのです。また、太陽の活動が弱くなると雲の量が多くなること、そのときに宇宙線の量が増大することがわかっており、地球の平均気温は宇宙の現象に影響されるのです。

 二酸化炭素説を唱え地球温暖化に警鐘をならすIPCCは気象学の権威ですが、どうも地球の中にしか目が届かず、太陽や宇宙線といった地球外の要因については視野に入っていないということが、丸山さんをはじめとする地球温暖化反対論者と意見が折り合わない理由とのことです。確かに、専門家が進んだ現在の研究の進め方を考えれば、ありえそうな話です。また、組織の問題でもあるようです。トレンドにあった研究発表を行うことにより予算を確保し、さらにトレンドを強化して予算を増やしてゆく、という研究組織の動きを考えれば、予算確保のロジックから離れた意見は耳に入れないということです。これも確かにありそうな話です。

 もうひとつ、面白い話がありました。二酸化炭素説はイギリスをはじめとするヨーロッパが発祥のようですが、心配ごとは地球温暖化ではなく、残り少ない石油を成長著しい中国をはじめとるすアジア諸国に使い切られてしまうことを避けたい、という戦略があるのではないか、ということです。確かに、アジアの人口はヨーロッパの何倍もあり、石油はいつ枯渇してもおかしくない状況にあります。石油の枯渇を心配するれば、当然考えつくことでしょう。







 科学的な話ばかりではありませんでしたが、石油の消費に係る二酸化炭素説が政治的な色彩をもっていることは、素人の私にもなんとなく感じていたことでした。それを一刀両断に解説していただいて、とてもすっきりとした気持ちになりました。私は、温暖化よりも氷河期が心配です。食糧危機により、戦争が起きるかもしれません。暖かくても食糧が沢山とれる環境の方が、人類の平和には大切なことのように思います。









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