VIVA! Life Planning



『日本人の底力』を聞いて 客人:丸紅経済研究所所長 柴田明夫さん

トップページ > 『日本人の底力』を聞いて > 丸紅経済研究所所長 柴田明夫さん





 世界の食糧問題と日本の農業問題に関するトークでした。

 食糧の価格は2003年に大きく高騰しました。この年は中国が10%成長に入った年であり、中国の人々の食生活が大きく変わった年でもありました。肉食の人口が増えて、えさとしての穀物需要が大きく増加したのが一因だと考えられるようです。世界の人口はいまだに増加を続けており、毎年1億人ずつ増え続けています。40年後には世界の人口は2倍になるそうです。明らかに、食糧不足が心配される状況にあるのです。

 そこで問題となるのが、日本の自給率です。食糧不足になれば、各国で食糧の取り合いになります。日本はカロリーベースで現在約40%の自給率ということで、先進諸国の中では最下位の方にランクされています。さらに、今後10年で農業生産力が約15%低下するという国の発表があるそうです。高齢化が進み、後継者が育ちにくい現在の農業のおかれた状況では、それ以上の農業生産力の低下が心配される状況にあります。

 菅原文太さんが、農家が儲かりにくい現状、流通業者は農家を安く買いたたき、流通業者は他社との競争で販売価格をどんどん下げるという状況を心配し、これを打破するカギについて質問したのですが、値下げ競争ではなく、農業生産物に付加価値をつけることだというのが、客人のご意見でした。また、若い人に農業ブームが起きているが、実際には新しい人が農業に入るのを拒むような伝統的な状況があり、なかなか難しいようです。これに対しては、農業法人などが仲介するとか、国または都道府県が就農を支援するような制度が必要なのではないか、というのがお二方のご意見でした。







 農業問題というのは、私にはわかりにくい分野です。しかし、人口爆発がつづく今の地球では、自給率の低下は日本という国の持続性を弱くするものであり、早く何らかの対策を打たなくてはいけないということは、よくわかりました。









Copy Right VIVA! Life Planning Since 2008