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”プライマリーバランス”をご存知ですか?

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日本が毎年税金だけの収入ではやりくりできず、国債を発行して国際的に資金を集めて赤字経営を続けていることは誰もが知っていると思います。最近、麻生政権となり、特に厳しい金融危機に際して、2010年までにプライマリーバランスを黒字化する、という小泉政権時代の政策を諦めるような発言もちらほら聞こえてくるようになりました。実はつい最近まで私はプライマリーバランスがどんなものか良く知らなかったのですが、次の本を読んでいるうちに理解することができました。



参考図書 : 闘う経済学―未来をつくる公共政策論入門、竹中平蔵著



プライマリーバランスというのは、今年の財政赤字の中から金利を除いたもののことです。

では、プライマリーバランスが黒字化すると、どういう状態になるのでしょうか?赤字国債を無限に発行することはできないことから、日本の財政を破綻させることなく継続性を保持してゆくためには、ドーマーの条件を満足する必要があると言われています。これは、プライマリーバランスが黒字化すれば、名目経済成長率が金利に等しいか、もしくは高くなればGDPに対する財政赤字の割合が増大しない、というものです。長期金利と名目経済成長率はほぼ等しいと考えることができる(正確にはどちらが高くなるか言えない、ということのようです)ことから、プライマリーバランスの黒字化は、すなわち赤字国債を減らすことを意味しているのです。

といっても、プライマリーバランスの黒字化は、赤字国債を減らすためのスタートラインに過ぎません。また、財政支出を引き締めず増税によりプライマリーバランスを改善した過去の事例では、いずれも経済成長率が低迷したとのことであり、小泉政権の推し進めた改革路線を継続することが、日本の発展には重要なようです。

"赤字”というと、なんだか悪い状況にあると単純に思ってしまうのですが、実は財政赤字が悪いかどうかについては経済学者の間においても意見が分かれているそうです。ただし、借金の利子が膨らめば社会保障費用などに使えるお金は少なくなるのが現実であり、赤字は少しでも減らした方が財政に柔軟性が出てきますから、プライマリーバランスの黒字化は重要な事項だと思います。



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