いちのせかつみさんの”資金3分法”
トップページ >お役立ち情報 > 資産運用の話 > いちのせかつみさんの”資金3分法”
先日、金融庁主催の「生活設計・資産運用について考えるシンポジウム」に行ってきました。
その時の基調講演がされたのが”いちのせかつみさん”でした。大学卒業後に税務経理やコンサルタントに従事され、その後CFPを取得し、全国各地で金銭教育普及のために講演会などでご活躍されています。そのトークは上質な落語のようで、一時間の講演でしたが、眠気が催すこともなく、楽しく話を聞くことができました。お近くでいちのせさんの講演会があるようでしたら、一度聞いてみることをお勧めします。
そのいちのせさんが提唱されているのが、”資金3分法”です。
これは資産を「残すお金」、「備えるお金」、「使うお金」の3つに分類し、それぞれの役目に合った投資方法を適用する、というものです。資産運用のポートフォリオとしてどんな資産に何%を振り分けるという考え方が良く言われていますが、これではそのお金の目的がわからなくなり、目的がわからないゆえに運用にも迷いが出てしまう。だからこそ、目的をきちんと把握して投資方法を決めましょう、というものでした。
初めて聞く考え方でしたが、とてもすっきりと頭に入りました。良い考え方だと思います。資産運用は自己責任で行うものです。何かあっても誰も助けてくれません。だからこそ自分で納得できるお金の使い方をする必要があります。自分で納得するためには、目的を具体的に考え、良く理解することが不可欠ですが、資金3分法はこれを実現できる方法です。
- 「残すお金」
- 葬式代
50歳に超えたら、予算をどのくらいかけるのか葬式場に行って具体的な金額を調べておくべきである。業者によって見積もりが変わるので、3社くらいは見積もりをとった方が良い。葬式代は、葬式の翌日に支払を要求されることが多い。生命保険や定期預金では間に合わないし、普通預金では凍結されてしまう場合がある。妻と預金を分け合っておくのが良い。
- 相続税
事前に相続税がどのくらいになるか、知っておかなくてはいけない。平成23年度の税制改正で相続税の控除額が大きく下がるため、これまでは相続税の対象でなかった人にも相続税がかかるようになる。相続税は10カ月以内に支払えば良いので、流動性が少し低い運用先でも大丈夫である。。
- 寄付
地域や寺、神社に寄付をしたい、社会貢献したいという人は遺言に残しておいた方が良い。 - 借金
残された家族が困らないように利息分も忘れずに準備しておく必要がある。
- 家族へ
たくさん残すともめることが多いので、あまり残さない方が良いと思う。
- 「備えるお金」
- 医療費
仮に半年入院と想定すれば200万円くらいと想像し、入院費プラス手術代を考えておく。入院費は長期間入院する場合には、10日間毎に支払を要求されることが多い。こういったことも想像しておくこと。
- 介護費
車椅子に乗ることになることが多く、家をバリアフリーにした場合の見積もりはとっておいた方が良い。見積もりさえとっておけば、いざというとき、詐欺に合わなくて済む。
- 古くなった家のリフォームや自動車の費用など
- 「使うお金」
自分がもっている金融商品(現金、預金、株、国債など)+退職金の予定額 - (「残すお金」+「備えるお金」)
「使うお金」から生活費を除いたら、株に使っても良い。「備えるお金」「使うお金」は株に使ってはいけない。
関連情報
以下のサイトに関連する情報があります。
Copy Right VIVA! Life Planning Since 2008