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『 すでに起こった未来―変化を読む眼』 P.F.ドラッカー著、ダイヤモンド社

最近ツイッターを始めたのですが、ドラッカーに関するつぶやきに触発されて購入した本です。

ドラッカーという人がいることは知っていたのですが、縁遠い存在でした。なんとなく経済関係の人かな、程度の知識でした。今回わかったのは企業マネージメントに関する最高の研究者だということです。この本は、1940年代くらいから書きためた短めの論文をまとめたものです。1940年代というと大昔のイメージがありますが、論文を読む限り、書かれている論点は今現在問題となっていたり着目されていることと変わらないのです。先見の明があった、ということもあるでしょうが、世の中あまり変わっていないということだと理解しました。そういう意味では、すでに起こった未来、というのはとても意味深いタイトルです。

とても面白かったのは、日本のシステムを高く評価している点です。最近話題となっている”天下り”のシステムですが、税金の負担を軽減して、公務員の給与を民間が支払うという合理的なシステムとして高く評価されていました。マスコミの報道だけではわからない新しい切り口であり、目からうろこがおちる思いでした。なんでも一般競争入札にすればいいのかと言えば、そんなことはありません。”悪貨は良貨を駆逐する”という言葉がありますが、安くて質の悪い業者が生き残り、高くても優良な業者が倒産してゆくのは、長い目で見れば日本にダメージを与えることでしょう。優良な業者をいかに育てるか、そんな視点も必要です。

ドラッカー氏が快刀乱麻、いろんな視点でいろいろな見解を述べています。興味深い一冊です。

目次

  1. Ⅰ部 アメリカの経験
  2. Ⅱ部 社会における経済学
  3. Ⅲ部 マネージメントの社会的機能
  4. Ⅳ部 社会的機関としての企業
  5. Ⅴ部 仕事・道具・社会
  6. Ⅵ部 情報社会
  7. Ⅶ部 社会および文明としての日本
  8. Ⅷ部 社会を超えて
  9. 終章 ある社会生態学者の回想







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